2019年は70勝70敗の五分で4位となった広島カープ。終盤戦で阪神タイガースにクライマックス進出をかっさらわれたはファンの記憶に新しいことでしょう。
○特徴がなかった2019年のカープ
さて、そんな2019年の広島カープは、これといった特徴がなかったチームだったといえます。
実際に様々なデータを見ていくと、平均的なチームだったことが分かりますよ。
主要成績のリーグ順位は下記のとおりです。
・打率3位(.254)
・本塁打4位(140本)
・得点4位(591点)
・防御率2位(3.68)
・失点4位(601点)
・得失点差3位(-10)
抜きん出た成績がないのが一目瞭然ですね。
また、失策、得点圏打、盗塁がリーグ3位、長打率は4位と、カープの戦い方はこれというものが見られませんでした。
一応、犠打数は111でリーグトップでしたが、それだけでは特徴とはいい難いです。
また、防御率はリーグ2位だったものの、4位中日が3.72、5位の巨人も3.77とあまり差がありませんでした。
さらに、先発防御率もトップ(3.75)ではありましたが、2位の巨人が3.83、3位の阪神が3.90とこれも僅差。
阪神の救援防御率が2.70で唯一の2点台だったことも考えれば、大きく差が開いているとは言えませんね。
リーグ4連覇を狙った2019年、広島カープの戦いぶりは平均的なものに落ち着いてしまっていたのです。
熱い広島ファンが期待する戦いは、残念ながら出来ていなかったといえるでしょう。
○3年連続優勝を飾った2018年との違いは打線!
2018年と2019年の一番の差は打線でした。現に得点が-120(721から601)と大体1試合1点平均で減少してしまったのです。
その要因として、長打率が減ったことが挙げられます。
2018年の長打率は.431と2019年優勝の巨人より優秀な成績でした。
しかし、2019年は.392で4位。打者の力量を測る数値のOPS(長打率+出塁率)も、.780(1位)から.716(3位)に転落。
豪快が売りだった鯉打線が、小さくまとまってしまったといえます。
一方の投手陣は、2018年よりもやや改善が見られました。
先発投手防御率:4.26→3.7
救援防御率:3.87→3.63
トータル:4.12→3.68
抜きん出た投手陣ではなかったものの、改善が見られており2020年も期待できるでしょう。
2020年、セ・リーグを制するためには新しい赤ヘル軍団の構築が急務といえそうですね。
○2020年の展望
2019年のカープ外野陣は、丸選手が巨人へ移籍し戦力ダウンが予測されていました。
しかし、蓋を開けてみると鈴木誠也選手と西川龍馬選手が好成績を残し、2020年もスタメンを維持すると見られます。
また、キャッチャーも會澤選手が育っており、ここ数年の活躍をすれば強力打線が組めるでしょう。
セカンドは、菊池涼介選手が1年間守ることが予測されますね。
問題は菊池選手の相方、遊撃手です。
2018年まで正遊撃手だった田中広輔選手が不調に陥り、怪我で抜けた2019年。打率も1割台に沈みました。
2020年は選手会長にも選出され復帰が期待されているものの、1年目だった小園海斗選手がその穴を埋め経験を積んだので競争が予想されます。
果たしてどちらが正遊撃手の座を射止めるのか注目ですね。
○佐々岡監督がどんなチームを作るか注目
2019年の広島カープは、平均的なチームでした。
抜きん出たところはありませんでしたが、弱点というところも見当たらなかったのです。
つまり、しっかりとした地盤がある状態なので、特化して強化すれば一気に復権することも考えられます。
果たして佐々岡監督がどんな強みを持つチームを作るのか注目ですね。
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